2010年6月11日金曜日

レストラン KEIMI









 神奈川県大和市の小田急線南林間駅から歩いて5分のところに位置するペルー料理レストラン。小田急線沿線は工業団地が多くあるためか、多くの南米日系人が住んでおり、ペルー料理レストランも多くあった。

 ところが、近年の不況の煽りを受け、多くの工場が閉鎖してしまったため、大量の南米日系人が失職し、大多数のペルー料理レストランも廃業に到った。
KEIMIはその中でも廃業に到らなかった、健気なレストランだ。

 KEIMIはマンションの一階に店を構えており、外観からはレストランだと思えない。外から中が見えないため、まるでオフィスのようだ。入るのに少しばかりの勇気が必要であった。
ところが中に入ってみると、壁に飾られている額縁に驚かされた。自由民主党―――福田康夫、自由民主党―――麻生太郎。日本の歴代の内閣総理大臣のサイン。そしてフジモリ・アルベルトの長女フジモリ・ケイコとのツーショット写真。
 
 オーナーのフナトさんは日系南米人社会の大物だ。90年代前半、悪質な派遣業者に騙された南米日系人を救うため、「在日ラテンアメリカ人を支援する会」の中心メンバーとして活躍し、2000年にはなんとペルーの国会議員選挙に立候補した経歴を持つ。レストランのほか,ペルーの料理を冷凍食品化したものを”El Tambo de Oro”というブランド製造・加工し、多数の業者を通して販売している。
 在日南米人向きの新聞には度々フナト氏のコラムが掲載され、長男は日本の最高学府の現役学生だ。

 何ともインテリなご一家であるが、レストランで接客してくれるフナト氏と奥様はとても陽気で、気さくだ。
ここのお薦めメニューは“Lomo saltado”だ。
 
別のメニューを頼みたかったが、フナトさんの推しに負けて”Lomo saltado”を注文した。料理が運ばれるや否や炭火焼された香ばしい香りが漂う。赤い鮮やかなたまねぎ。大きくカットされたトマト。食欲みなぎる盛り付けだ。
いざ食してみると、他のレストランの“Lomo saltado”とは別ものだった。軟らかくて羊肉のような食感の上質な牛肉。トマトは口に頬張った瞬間、プッりと皮がはじけ、中身がジュッと広がった。

 ポテトは炭火焼の香ばしさが芯まで通っていて、フライドポテト特有の油っぽさがなく、オリーブオイルを用いる事で、舌触り滑らかなとろけるような食感がした。
 
 この店を訪れた在日ペルー人の客が、これこそペルーの”Lomo saltado”だと喜びながら噛み締め、もう他のレストランのは食べられないとまで言うそうだ。
教養あふれるフナトさんと、太陽のような笑顔が印象的な奥さんが切り盛りするKEIMIで、日本とペルーの二国間関係を語り合ってみてはいかが。


ロモサルタード ドリンクセット 1350円

***** お店の情報 *****
「KEIMI」
 住所  :神奈川県大和市西鶴間1-8-13
 電話  :046-273-1096
 営業時間:12:00~22:00
 休日  :毎週月曜日
 小田急江ノ島線南林間駅から徒歩5分

地図

http://www9.ocn.ne.jp/~keimi/sub3.html

0 件のコメント: